ご相談いただいた会社について
業種:発泡スチロール製造
所在地:東海
年商: 10億未満
従業員数:30名
社長の悩み
「黒字化できたのに、工場の中がまだスッキリしない。」
前回の改善プロジェクトで赤字からの脱却を果たしたが、工程内の仕掛品は依然として多く、スペースを圧迫していた。特に成形工程と梱包工程の間に仕掛品が滞留し、作業者の動線を妨げる状態が続いていた。
「改善はまだ途中。次のステージに進みたい。」そんな思いからの継続依頼だった。
弊社が目指した姿
前回の改善で得た「売れる分だけ作る」という考え方を、工程内の仕掛品管理にまで徹底させることを目指した。
ロットを小さくし、工程間の仕掛品量を「見える化」することで、生産の流れをよりスムーズにする。それが今回のテーマだった。
現場を見て、気づいたこと
前回の改善で出荷起点の生産に切り替わっていたが、成形工程だけが依然として大ロットで動いていた。
成形機の段替えに時間がかかるため、「段替えを減らしたい」という現場の心理が働き、1回あたりの生産量が必要以上に大きくなっていた。その結果、梱包工程の前に大量の仕掛品が積み上がる構造が残っていた。
工夫したポイント
ポイントは、段替え時間を短くすることだった。
段替えに時間がかかるから大ロットになる。大ロットになるから仕掛品が増える。この連鎖を断ち切るため、段替え作業そのものを改善対象に据えた。段替え時間が短くなれば、小ロット生産への心理的な抵抗もなくなる。
実施した改善
改善①:成形工程の段替え改善
段替え作業を観察・分解し、内段取りと外段取りを整理。準備作業を事前にできるものは事前に済ませるよう手順を変更した。段替え時間が短縮され、小ロット生産が現実的な選択肢になった。
改善②:ロットサイズの縮小
段替え改善と合わせて、成形工程のロットサイズを縮小。工程間に滞留する仕掛品量が大幅に減少し、梱包工程前のスペースが解放された。
改善③:仕掛品量の見える化
工程間の仕掛品量を定量的に把握できるよう、置き場所と上限数量を設定。仕掛品が上限を超えたら前工程が止まるルールをつくり、自然と適正量が保たれる仕組みを整えた。

改善効果
- 仕掛品在庫 60%削減
- 活スペース 30㎡ → 10㎡(仕掛品置き場の大幅縮小)
- 段替え時間の短縮により、小ロット生産が定着
- 工程間の流れがスムーズになり、リードタイムが短縮
社長からいただいた声
ジャストインタイムのものづくりはわかっていたけど、取り組んでみて具体的な方法に取り組めたのはよかった。業績回復してきたのも、製造分のがんばりが2000万円あった。
この業界も原料は値上がるし、厳しい状況が続く。しかし、我々の得意とするオーダー品に、ジャストインタイムの考えで小ロットに取り組めるから、付加価値はあがっていく。引き続き改善活動に取り組んでいきたい。