ご相談いただいた会社について
業種:金属加工
所在地:愛知
年商:20億
従業員数:45名
社長の悩み
「不良が減らない。でも、なぜ減らないのかがわからない。」
品質不良が慢性的に発生し、その都度対策を打ってきたが、同じ問題が繰り返された。原因の追究が属人的で、ベテランの経験と勘に頼った対応が続いていた。
さらに、現場の若手・中堅社員が問題解決の手法を持っておらず、「何かあればベテランに聞く」という構造が固定化していた。人材が育たない、問題が再発する——その悪循環を断ち切れないまま、時間だけが過ぎていた。
弊社が目指した姿
慢性的な不具合を半減させることを目標に掲げながら、それ以上に「正しい問題解決の手法をチーム全体で体感すること」を重視した。
数字の改善だけでなく、データを取り、分析し、実験する——そのプロセスを自分たちでできるようになることが、本質的なゴールだった。
現場を見て、気づいたこと
現場で最初に確認したのは、不良に関するデータの有無だった。
不良は発生していたが、「どの工程で」「どんな種類の不良が」「どのくらいの頻度で」発生しているかが数字で把握されていなかった。記録はあっても集計・分析されておらず、対策の根拠が「なんとなく」になっていた。
問題解決の前に、まず現状を数字で見える化することが必要だった。
工夫したポイント
「まずやってみる」を徹底した。
完璧な計画を立ててから動くのではなく、データを集め、層別し、仮説を立てて実験する——このサイクルを小さく回すことを繰り返した。特性要因図やQCサークル活動など、品質管理の基本的な手法を、教室で学ぶのではなく現場の問題に直接当てはめることで、体感として習得できるよう工夫した。
実施した改善
改善①:不良データの集計と層別
これまで記録はあっても活用されていなかった不良データを整理・集計。工程別・品種別・時間帯別に層別し、「どこに問題が集中しているか」を可視化した。データを見た現場メンバーから「こんなに偏っていたのか」という声が上がり、問題意識が共有された。


改善②:再現実験による原因の特定
層別で絞り込んだ不良に対して、再現実験を実施。「なんとなくこれが原因だろう」という仮説を、実際に条件を変えて検証した。実験を通じて真因が特定され、対策の根拠が明確になった。
改善③:QCサークル活動の立ち上げ
改善活動を一過性のプロジェクトで終わらせないため、現場メンバーが自律的に問題解決に取り組む体制としてQCサークルを立ち上げた。属人化していた工程の改善テーマをチームで共有し、全員で向き合う文化の醸成につなげた。
改善効果
- 慢性的な不良が半減
- 原因不明の不具合が大幅に減少し、対策の根拠が明確に
- QCサークル活動が定着し、現場主導の改善が継続中
社長からいただいた声
属人化していた工程を、チーム一丸で向き合えたことはよかった。そもそも人材育成ができていなかったので、データ取り・分析・実験計画など、いわゆる正しい問題解決の手法を体感できたことは良かった。
プロジェクトの都合上、中断せざるを得なかったが、今後も自社で改善活動を継続していく。