ご相談いただいた会社について
業種:カーペット製造
所在地:関東
年商: 20億
従業員数:90名
社長の悩み
「改善活動をやっているのに、なぜ赤字が続くのか。」
数年前から改善活動に取り組んできたが、業績に結びついていなかった。在庫は積み上がり、現場では工程別に組織が分断され、互いの問題が見えない状態が続いていた。
課題は3つあった。
・赤字体質からの脱却:原価高騰と販売価格の低下が重なり、利益が出ない構造になっている
・在庫過多:完成品・仕掛品が積み上がり、キャッシュフローを圧迫している
・改善効果が出ない:現場で改善活動をしているが、数字に表れてこない
弊社が目指した姿
改善活動が「やっているだけ」で終わらないよう、現場の数字を見える化し、改善にブレーキをかける構造そのものを変えることを目指した。
工程別に分断された組織の壁を崩し、全体の流れを意識した生産スタイルへの転換を図った。
現場を見て、気づいたこと
現場に入って見えてきたのは、工程別の組織構造が、工程間の対立を生んでいるという実態だった。
前工程は「自分たちの工程を効率よく回すこと」を優先し、後工程の状況を気にしない。後工程は前工程から流れてくるものをさばくだけで手いっぱい。その結果、工程間に仕掛品が滞留し、全体のリードタイムが延びていた。
改善活動が効果を出せなかったのは、各工程がバラバラに動いていたからだった。
工夫したポイント
ポイントは、見える化でブレーキ機能をつくることだった。
在庫や仕掛品の量を数字とグラフで示し、「今、どこに問題が集中しているか」を全員が確認できる状態にした。数字が見えることで、「自分たちだけ頑張っても意味がない」という気づきが現場に生まれ、工程をまたいだ協力が自然に促された。
実施した改善
改善①:管理板の導入による見える化
工程ごとの生産量・在庫量・仕掛品量を管理板で見える化。毎日の数字を全員が把握できるようにした。数字が「見える」ようになったことで、問題を他の工程のせいにするのではなく、全体で解決しようという意識が芽生えた。

改善②:整流化とモデルラインの設定
物の流れを整理し、滞留が起きにくいラインレイアウトに変更。

まず1つのモデルラインで改善効果を確認し、横展開する順番で進めた。モデルラインの結果が数字で示されたことで、他ラインへの展開もスムーズに進んだ。

改善③:在庫削減と生産計画の見直し
完成品・仕掛品の在庫基準を設定し、「作りすぎない」生産計画に切り替えた。在庫が減ることで保管スペースが生まれ、現場の見通しが良くなった。
改善効果
- 赤字脱却の見通しが立つ(改善進行中)
- 工程間の仕掛品滞留が大幅に減少
- 現場の見通しが改善され、作業効率が向上
- 工程をまたいだコミュニケーションが活性化
社長からいただいた声
改善活動をやってきたつもりだったが、今回初めて数字で現場が見えるようになった。工程別に組織が分かれていたことで、互いの問題が見えていなかったことがよくわかった。
見える化が進むことで、現場から自発的に「ここを直したい」という声が出てくるようになった。まだ道半ばだが、赤字から抜け出す手応えを感じている。